基本情報
- ライフ
- 16
- サニティ
- 20
- クレジット
- 12
個性・覚醒・容姿
全ての判断基準は『金』だ。
多額の借金がある。返しきれないほどに。
スーツ
ホログラムで顔を隠す
「金を払え、お前に正義を売ってやる」
信じがたいほど精巧な記憶力と再現能力、それに紐づく高い戦闘技能を持つ男は、その代償に日々記憶を失い続けている。
だから男は揺らがぬ外的基準を求めた。
だから男は刹那的な快楽を求めた。
だから、男は金を求めた。
ローンシャーク(高利貸し)は傭兵だ。彼は支払われた金額次第でヴィランの味方にもヒーローの味方にもなる。セカンド・カラミティ以前は「その方が金になる」と公言し、ヴィラン側の仕事を度々受けていた彼は、セカンド・カラミティ以後はヒーローサイドの仕事ばかりを請け負うようになった。
ニヒル。皮肉屋。リアリスト。守銭奴の銭ゲバ。おおよそヒーローには相応しくない人格はそのままで、しかし彼は今日も人助けに持てる知恵と技術と全てを賭ける。その理由を問われれば、心底忌々しそうに彼は吐き捨てる。
━━「多額の借金が出来たのだ」、と。
■■■
ローンシャークはセカンド・カラミティが起きたその日、他の傭兵たちとともに、ヴィラン組織の仕事を受けてヒーローと対峙していた。しかし彼らはいわばヒーローをおびき寄せるために利用された「餌」だった。ザ・スローター出現の最前線にいた彼らは、ヒーロー、ヴィランの区別なく怪物に虐殺された。
マスクを捨て、スーツを捨て、素顔を晒し、プライドも何もかもをかなぐり捨てて、ローンシャークは前線から必死に逃げた。かくして瀕死の重傷を負い、遂に膝をついた彼を救ったのは、民間人避難所にいた修道女だった。
そこから先の彼の記憶は曖昧だ。明滅する意識の中、覚えているのは、名も顔も曖昧な修道女が自分を救おうと必死に手を尽くしていた姿。誰から金を受け取るわけでもあるまいに。
彼が次に記憶を取り戻した時、彼は民間人被害者の一人として病院の集中治療室にいた。一命をとりとめた彼は、病院のスタッフに修道女のことを問うた。
修道女は彼が病院へ搬送された日、家屋の倒壊に巻き込まれ死亡していた。
脳、瞳孔、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓……人間は膨大な金で出来ている。まして魂の相場など彼は知らない。
分かる事はただ一つ。名前も知らぬ修道女に、莫大な借金が出来てしまったということだけ。
……高利貸しと呼ばれる男が、『ヒーロー活動』で稼いだ金を、とある教会への寄付金にしている事を知っている者は少ない。それが借金の返済だと知る者は、彼だけだ。